村田エフェンディ滞土録
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村田エフェンディ滞土録 (角川文庫 な 48-1) 著者:梨木 香歩 |
梨木香歩の本ですね。
梨木香歩の作品は「西の魔女が死んだ」を読んだ事があります。これはかなり好きです。
この「村田エフェンディ滞土録」は、第一次世界大戦前のトルコ・イスタンブールでのお話。私はてっきり実話だと思っていたんですが、たぶんフィクションです。“エフェンディ=学士”で、日本からの留学生・村田が、イスタンブールで考古学系の調査をしている人々との触れ合いや現地の風習、そして変革していく社会に巻き込まれていく話であったりもします。
このときの変革ってのは青年トルコ革命、第一次世界大戦など。重いですね…。
でも、この作品で触れる大半は、それ以前、明治維新~青年トルコ革命前夜のいわば幸福な時代です。考古学について学んでいく村田と、考古命みたいな友人、熱心な宗教徒である下宿の人々とのからみです。『文明とは、宗教とは何なのか』、過去の人々とそれを想う今の人々…つまり考古学者であること、そして、異邦人。多文化・多宗教の間で成立する友情や家族的な愛が見所かもしれません。
こんなに大きな題目を抱えて、それを主張してもいるんだけど、個人的な話ですね。ここで言う個人的ってのは、全体ではなくて一人ひとりの関り合いを大切にしているってこと。
戦争とかのでっかいテーマを見ていく上で、一番大切なのは、そのテーマを構成しているのは結局は「一人の人間」たちであることだと思う。たくさんの一人が集まって集団になるわけで、決して「戦争」はモノではない。戦争を起こすのは、“どこかのだれか”たちで、戦争に巻き込まれるのは“ひと”びと。絶対的な質量をもった、人間の塊が「戦争」だと私は思っている。
この物語は、「戦争」に続く話であり、戦争に関った個人たちの前夜祭である。戦争とは無縁の日々を描く事で、後に訪れるであろう「戦争」を人間味のある存在に感じさせることに繋がるのではないか。
と、今日テストで論文をしたためた私は、文章が論文的。。笑
とにかく、そう。この物語は殆ど戦争には触れていない。でも、忍び寄る影とそれに全く気付いていない人々、影を引き寄せようとする人、気付いていながら避けている人、そんな日常が垣間見える。戦争に巻き込まれるであろう人と全く関係ない人が繋がりあったことで出来てしまった空間が、すごく空虚な戦争を表しているように感じる。
よく、他国同士の戦争は「知ってはいる」が「見えない」もの、だと言う。見えない=関りがないって意味じゃないかと思う。だけど、もし、、その戦場に知り合いが行ったら、一気にそれは自分との関りを得る。そういうことだと思う。
この本の大きなテーマは、『繋がる』、なんじゃないかなぁ。私は今そう感じる。
と、大きな話になってしまいましたが、「村田エフェンディ滞土録」はすごく良い本ですよ!!
好きというか、良い。過去の日本人が主人公だからこそ、今あの頃の日本と戦争を「知って」いる私達だから読んでいて感じるものがある、って本ですね。
オススメです。というか、このブログで紹介するのは基本的にオススメなものだけだけどね笑
オススメじゃないと書くことないし、伝えたいって思わないからねー (=_=.)b
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